赤・緑・白に装飾される日本

キリスト教徒が少ないため日本のクリスマスは祝日ではないが、クリスマスを祝う日本人は多い。11月末から、日本の街は赤、緑、白などのクリスマスカラーのクリスマス飾りやイルミネーションで施され、クリスマスキャロルも流れ、デパートにはサンタクロース、トナカイ、もみの木などのオブジェやクリスマスの贈り物が並んびはじめる。クリスマスのテーマで飾られた街の景色を見ると、日本人はクリスマスの愛好者であると感じられるだろう。

1552年に宣教師が日本で行った降誕祭のミサが最初の日本のクリスマスであるが、日本はクリスマスを宗教的に祝うことは少ない。しかし、クリスマスは商業目的のイベントの一つとして祝われるようになった。商業によってクリスマスイブにホイップクリームとイチゴで飾られたスポンジケーキであるクリスマスケーキを食べる伝統ができ、ケンタッキーフライドチキン(KFC)のマーケティングの力によって、クリスマスの夕食にKFCチキンを食べる人が増えてきた。そして、クリスマスケーキとKFCチキンを購入するため、毎年、多くの日本人が、クリスマスイブに店の前に並んでいる。

さらに、クリスマスは日本のメディアによってロマンチックなイベントとしても宣伝されている。全ての街はきれいに飾られ、ロマンチックな雰囲気があるので、恋人たちにとって、クリスマスは二人の愛の奇跡が起こる特別な日だと考えられている。恋人以外にも、自分の大事な人と過ごす日でもある。さらに、今年の東日本大震災のことを考えると、今年のクリスマスは人の絆や命の大切さを見直す機会になるのではないだろうか。

2020年夏季オリンピック

古代ギリシャのオリンピアの祭典をもとにした近代のオリンピックは、4年に1度国際オリンピック委員会が行う世界的なスポーツ大会である。現在、200以上の国が参加するオリンピックには夏季オリンピック、冬季オリンピック、パラリンピック、ユースオリンピックがあり、約400のイベントが行われている。そして、オリンピックの開催都市は世界に自国をアピールする機会になるので、多くの国がオリンピックを開催地になるため毎回競争する。

今年5月16日、国際オリンピック委員会は2020年に開かれる予定の第32回夏季オリンピックの開催地決定までのスケジュールを発表し、立候補都市の申請手続きを開始した。立候補都市の申請は9月1日に締め切られ、アゼルバイジャンのバクー、カタールのドーハ、トルコのイスタンブール、スペインのマドリード、イタリアのローマ、日本の東京都の6つの都市からの立候補申請を正式に受理したと発表した。

1964年夏季オリンピック、1972年冬季オリンピック、1998年冬季オリンピックの開催経験がある日本は2016年夏季オリンピックに立候補したが、2回目の投票で敗れ、2020年夏季オリンピックにまた立候補した。

しかし、前の立候補と異なって、今度の立候補は日本にとって最も意味があると思う。石原慎太郎(いしはら しんたろ)都知事は五輪招致が3月11日の東北地方太平洋沖地震の再建と再生の「大きな促進剤」になるだろうと声明を発表した。そして、2020年夏季オリンピックに使われる桜のリースのロゴをデザインした島峰藍(しまみね あい)氏は、リースは「再び戻る」ことを象徴していて、五輪を通じて、日本に活気が戻ってくることを望むと語っている。放射線の問題のために東京都を開催都市にすることを懸念する声も多いが、もし東京都が2020年夏季オリンピックの開催都市として選択されたら、日本国民の士気を高められるに違いない。

折り紙

折り紙は一枚の正方形の紙で動植物や生活道具などの様々な形を作る日本の伝統工芸の一つである。折り紙の起源は不明であるが、現在、折り紙は日本の文化と関連があると世界中に知られいるし、日本語の「折り紙」という言葉が使われている。

折り紙は鶴を折ることだと考える人は多いが、もっと複雑な立体の形を様々な折り方で作れるし、折り紙専用の正方形の紙の代わりに、新聞紙、紙幣、アルミホイル、薄い和紙などが用いられることもある。

この多くの折り紙のバリエーションを可能にしたのは栃木県出身の折り紙作家の吉澤章(よしざわ あきら)だと考えられている。折り紙による文化の不朽に尽くした功績により昭和天皇に旭日章を叙勲された吉澤氏は多くの折り紙の技術を開発し、特にウェットフォールディング(Wet-folding)という水を用いて紙を湿らせ、紙を折りやすくするテクニックを生み出た先駆者であり、折り紙の文化に影響力の大きい人であった。

現在、吉沢の志を継ぐ人が増えているし、その中でも、ロバート・ラング、ウォン・パーク、神谷哲史(かみや さとし)は折り紙のマスターとして注目されている。ラング氏の恐竜の骨格、パーク氏の一ドル札の鯉、神谷氏の竜などの作品を見れば、紙一枚で作られたとは信じられないほど折り紙の無限の可能性が分かる。折り紙は単なる工芸品の一つではなく、生きた芸術の一つとして認められるべきだと思う。

ロバート・ラング: http://www.langorigami.com/

ウォン・パー: http://thedesigninspiration.com/articles/won-park-the-master-of-origami-paper-folding/

世界一の高さのタワー:東京スカイツリー

現在、東京都墨田区押上に建設中の電波塔である東京スカイツリーは11月17日にギネス世界記録に「世界一の高さのタワー」の認定を受けた。333メートルある今の放送塔の東京タワーは多くの高層ビルに囲まれていて、電波の送信に障害があり、完全な地上デジタルテレビ放送ができなくなったため、2003年、日本放送協会(NHK)と在京テレビ局5社が600メートル以上の新電波塔を都に求め、東武鉄道株式会社と協力して、2006年11月24日に次の三つのコンセプトに基づいてデザインが公表された。

  1. 未来的なデザインと日本の伝統美を融合
  2. まちの活性化を促す
  3. 災害時の情報伝達への貢献

東京スカイツリーの高さが634メートルである理由は東京スカイツリーが昔の「武蔵国」(6(む)、3(さ)、4(し))に当たる地域に建てられているからだ。タワーの地面に接している断面は正三角形であるが、強い風に耐えられるように、高くなるほど丸みをおび、地上約320メートルで円になり、二つの展望台がそれぞれ地上350メートルと450メートルにある。そして、東京スカイツリー全体のカラーデザインは日本伝統の「藍白」を基にした青みがかった白であり、一日おきに色を交互に替える二色のLED照明も加わる。

東京スカイツリーは2012年5月22日で、展望台入場料金を徴収する予定だ。東京スカイツリーは高さでギネスブックに載ったばかりではなく、未来的なデザインと日本の伝統美の融合する美しい日本建築の一つとしても高く評価されるべきだと考えられる。将来的には、世界中の観光客を魅了して、観光産業の回復にも影響力があるのではないだろうか。

日本の伝統芸能 II:紙切り

先週の落語に続き、他の日本の伝統芸能の「紙切り」を紹介しようと思う。

「紙切り」とは、切り絵とも呼ばれている折り紙のバリエーションの一つであり、洋紙一枚を鋏で様々な形に切り抜く日本の独特の芸能である。紙切り芸人は大抵客からのリクエストに応え、芝居の一場面等古典的なものから、動物やアニメのキャラクターまで多岐にわたる題材を切り、切りあがったものはリクエストした客に供される。

紙切りの起源は、中国で紙が発明されたため、中国にあると考えられている。日本の紙切りは中国からの影響を受け、宴席の余興に謡や音曲と共にする演芸として江戸時代に始まったと言われている。しかし、紙切りが日本で人気が出てきたのは第二次世界大戦後だった。第二次世界大戦後、日本でテレビ放送が始まり、紙切りの芸はあるクイズ番組によって紹介され、人々に注目を浴び始めた。

日本人の中にも、紙切りをただ紙を切ることで、素朴な芸だと思っている人は多いが、それは誤解だ思う。まず、紙切りの芸人は紙一枚しか使わないし、その上、スケッチもせず、一息に様々な形を切り抜く。さらに、切りながら、客の興味を引きつつ、客と巧みな会話をして、時々即興もしなければならない。そして、客からのリクエストがどんなに難しくて、複雑でも、絶対断らず想像力を使って、切り抜いて供さなければならない。

一度紙切りを経験すれば、分かることだが、紙切りは単に紙を切る地味な芸ではなく、客を飽きさせないような対話も重要視している唯一日本に存在する芸能である。

紙切り 林家二楽:

http://www.youtube.com/watch?v=sJ_4uML3vi4

http://www.youtube.com/watch?v=t_pfEYEsOSE

APEC首脳会議

環太平洋地域の多国間経済協力を進めるための非公式のフォーラムであるアジア太平洋経済協力(APEC)は世界貿易機関(WTP)の下で多角的自由貿易の体制を維持することを目的として、毎年首脳会議を行っている。

今年の首脳会議は11月12、13日にアメリカ合衆国のホノルルで行われ、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について交渉した。この首脳会議について、野田総理大臣は「アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の実現に向けて、唯一交渉が開始されているTPPについて、わが国は交渉参加に向けて関係国との協議に入る旨を紹介し、いくつかののエコノミーから歓迎の意が表明された」と述べた。野田総理大臣はTPPの日本の国益の視点に立ち、アメリカがTPPを主導することについて、中国が警戒心を強めていることに関して、中国のTPP参加は「中国自身の判断」だと言い切った。なお、日本としては中国やTPPと並行する東南アジア諸国連合(ASEAN)等との経済連携も推進していきたいと強調した。

APEC首脳会議の後、野田総理大臣は胡錦濤国家主席と会談し、年内に中国を訪問することで一致した。野田総理大臣は中断している東シナ海のガス田の共同開発に関する交渉と北朝鮮の核問題を巡る6カ国協議に関しても意見交換を求めた。

現実的には、外国との関係を改善するために多くの時間と努力が必要だ。野田総理大臣は9月に就任したばかりであるにもかかわらず、外国、特に中国との関係を改善するため様々な努力をしている事実を認めるべきだと思う。今後の野田総理大臣の努力と成果にも期待したい。

日本の伝統芸能 I:落語

 「落語」とは日本の伝統的な話芸の一つで、日本のスタンドアップコメディといったところだ。落語は洒落や冗談やユーモアが様々な人物の会話スタイルで行われるはなしで、そのはなしを寄席で演じる人々は「はなし家」とか「落語家」と呼ばれている。

落語が江戸時代(1603-1867)から始まったと考えれているが、落語の起源は、13世紀前半頃に書かれた中世日本の説話物語集である「宇治拾遺物語」に遡ることができるそうだ。その後、町人階級の出現で、落語は江戸時代に下層階級に広がって、庶民にも親しまれるようになった。

落語家の舞台は「高座」と言い、そこには座布団しかないが、その上に一人の落語家が正座し、扇子と手拭を小道具に、様々な声や身振りを使ってはなしを演じる。落語家が講談などの既製の演目をアレンジしたはなしを演じることが殆どだが、他の作者に書いてもらったはなしや自作のはなしを演じることもある。

一般的な落語の内容は聴衆をあっと言わせたり、わっと笑わせたりするものである。はなしの最後は「落ち」と呼ばれて、大抵ドンデン返しがあり、聴衆をびっくりさせる部分が落語のハイライトである。これは落語の一番落語らしいあり方であると考えられている。その後、落語家は自分の背中を聴衆に見せないで、寄席から素早く出て楽屋へ引き返す。

落語は現在東京や大阪でよく演じられているが、落語を知らない日本人が多いそうだ。他の日本の伝統芸能とは異なり、落語は様々な小道具や衣装が必要ないので、聴衆にアピールできるような派手なものではないが、それ故に、聴衆の想像力を引き出す落語家の技が問われるシンプルさが落語の魅力なのではないだろうか。

介護・医療支援ロボット

今月、トヨタ自動車株式会社(TOYOTA)は足が不自由な人の歩行を助けるため介護・医療支援ロボットを開発したと発表した。麻痺によって歩行が不自由になった人を支援する「自立歩行アシスト」をはじめ、リハビリのために作られた「歩行練習アシスト」、バランス感覚を練習するための「バランス練習アシスト」、ベッドから車椅子などへの移乗を介助する「移乗ケアアシスト」の四機種のロボットを発表した。

「自立歩行アシスト」は大腿部と足裏に歩行者の動作意図を推定するセンサーがあり、膝を曲げたり、前進すたりする動作を支援するものである。トヨタのライバル、本田技研工業株式会社(HONDA)も以前「自立歩行アシスト」のような「リズム歩行アシスト」を開発したが、これとは異なり、「自立歩行アシスト」は膝が体重を支えるなど、もっと高度な機能があるそうだ。

残りの三つはリハビリセンターでの利用計画があるそうだ。「歩行練習アシスト」は歩行データをモニタリングしながら、自然な歩行の習得を支援するシステム、「バランス練習アシスト」はテニス、サッカー、バスケットボールの三つのゲームを楽しみながら、バランスを回復するシステム、「移乗ケアアシスト」は人を抱え、持ち上げて移乗するシステムである。

現在、トヨタは介護・医療支援ロボットによって医療産業に進出しているが、その他にもパーソナル移動支援、製造・ものづくり支援、家事支援のテクノロジーに力を入れているそうだ。様々なテクノロジーで日常生活が向上することはいいけれども、全ての人々が自由に使えるようになるまでには価格の問題など、解決されるべき課題も多い。

韓流:K-POP

「K-POP(ケイ・ポップ)」と呼ばれている韓国から来たポピュラー音楽が最近日本で大いに注目されている。特に、「アイドル」と韓国で呼ばれているAKB48のような女性歌手のグループや嵐のような男性歌手のグループが日本でとても人気があるそうだ。KARA(カラ)というグループをはじめ、少女時代、ブラウンアイドガールズ、4Minuteなどの女性グループとSS501、BIGBANG、BEAST、MBLAQなどの男性グループはオリコンチャートという日本で最も知名度のある音楽ヒットチャートで何回も上位にランクインしているし、売り上げも上がり続けている。

日本のアイドルグループと比べると、韓国のグループは日本人が好むかわいいイメージの他に、アメリカのモデルのようにセクシーなイメージも持っているので、人気があるのではないだろうか。しかし、韓国のアイドルグループ、特に女性グループが日本に進出すると、日本の聴衆にもっとアピールするため、セクシーなイメージよりかわいいイメージを引き出そうとする傾向があって、韓国の聴衆はグループがオリジナルコンセプトを維持しないで、韓国の文化に忠実ではないと非難している。さらに、K-POPよりJ-POPをサポートしている日本の聴衆の中には日本の音楽産業を守るため、K-POP反対のデモをしたり、アルバムを買わないで、K-POPを日本で禁止するべきだと考えている人もいるそうだ。

韓国でも日本でもK-POPを巡る論争や騒動が続いているが、韓国のアイドルグループが今日本でK-POPの流行を引き起こしていることは否定できない事実である。K-POPの流行が続けば、韓国へのJ-POPの進出の可能性も出てくるなど、音楽を通した交流によって日韓関係が改善されるのではないだろうか。

少女時代「GEE]:http://www.youtube.com/watch?v=CGfUeqhvS50&feature=related

RAINBOW「A]:http://www.youtube.com/watch?v=BQ0ANhHK2Ak

BEAST「BAD GIRL]:http://www.youtube.com/watch?v=St1p5nUK8jA&feature=related

イグノーベル賞:わさびの火災警報器

毎年与えられるイグノベール賞はノーベル賞のアメリカのパロディであり、「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられる賞である。1991年に創設され、英語で「下品、卑しい、恥ずべき」という意味の“ignoble”をもとにしてイグノベールと名付けられた。

今年のイグノーベル賞の受賞作の一つはわさびの火災警報器だ。わさびの火災警報器はある日本人の研究者のグループによって発明された。現在社会の火災警報器は聴力に依存して作られているため、火災が起こった場合、火災警報器があっても聴覚障害者にやくに立たないことから、研究者は聴覚障害者に警告することができるように嗅覚を使って、新火災警報器を作ろうと考えた。そして、研究者は2000年に滋賀県のある病院の聴覚障害者の協力を得て、発明のための実験を始めた。

まず、31名の聴覚障害者に寝てもらい、焼きたてパン、コーヒー、味噌汁、ミント等の色々な匂いを使って起こそうとしたが、起きなかった聴覚障害者もいた。最後にわさびの匂いを使ってみたら、31人全員が起きた。

研究者は、わさびは非常に刺激の強い匂いがあるが、人体への悪影響はないので、わさびの火災警報器は安全だと結論付けた。わさびの火災警報器の発明はばかげているように見えるかもしれないが、それは本来の火災警報が聞こえない聴覚障害者にとっては素晴らしい発見であると思う。現在の社会はもっと障害者のニーズを考え、製品を開発するべきだと思う。